拝啓、父上・母上様へ。
ワシは大変なことになっています。今。
いきなり「一緒に死んで」と言われました。
初対面の子に。
ですが美少女だったので、詳しい話をしようと某有名ファーストフード店に来ていますてへぺろ。
こんな息子を……お許し……ください。

「では、まず名前を聞こうか。ワシは篤田とくだ家康。君は?」
美肆多いしだ……三成。お前は私のことを覚えていないのか……?」
「……どこかで会ったことが?」
「すまん……なんでもない」
心なしか彼女が悲しそうな目をしたような気がした。
ポテトを口に放り込み、それではと身を乗り出す。
「三成と言ったな。どうしてあんなことを?」
「関ヶ原の戦い」
「はあ」
何をいい出すのだ、この少女は。
関ヶ原の戦ィ?
ってあれだろ、あれ。
ちょうど昨日教科書で見た。
「徳川家康の覇権を決定付けた戦い……だよな?」
「そうだ。西軍は小早川秀秋の裏切りによって大打撃を受けた。総崩れだった」
「えーと、うーんと、それでどうして関ヶ原?」
「まずはこれを見ろ。石田三成が使っていた品だ」
三成はそれまでずっと肩に掛けていた竹刀袋をテーブルの上に置いた。
慣れた手つきで紐を解いていく。
はたして姿を見せたのは竹刀……でなく日本刀と呼ばれるべき物であった。
「……本物?」
「ああ。れっきとした、な」
「銃刀法違反とかは」
「気にするな。戦国BASARAなら仕方がない」
いやいやいやいや駄目だろ。
逮捕されちゃうでしょ。
しかし戦国BASARAとはすなわち、言うなれば、ワシ達の存在しうる世界である。
それに背をそむけるとするなら自分達をも否定することになるのではないだろか。
無理矢理な理論だと思われるかもしれない。
いいのだ。
すべて「戦国BASARAなら仕方がない」で片付いてしまうのだから。
一先ずこの話は置いておくとして、ふと頭に浮んだ疑問を口にした。
「それでつまり……君は石田三成の後裔なのか?」
聞いた本人が思うのもアレだが、何と血迷ったことを尋ねてしまったのだろう。
第一事実であったとしてどうなる。どうして遺品の話に。いや、本物かどうかも疑わしい。
(嘘ついてもメリットなんか無さそうだけどな。ワックシェイクうめえ)                                        
きっと鼻で笑い飛ばされてしまう、その時はそんな考えしかなかった。
非常に面倒くさい事態になるだなんて……

「これはな私の物だ。今から約四百年前、私が使っていた。私、は、石田、、三成、の」


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