クリスマスプレゼント

「ねえ……? 本当にやる気なの……?」
私は、いぶかしげな目で、目の前にいる幼馴染のジュンを見た。
今日は、クリスマス。
その日にやってくる、子供たちにプレゼントを届けにやってくるサンタ(別名親とも言う)を捕まえようと誘ってきたのだ。
勿論、私はそんなそんなもの信じているわけではない。
それに、今私たちのいる場所は外なのだ。
12月の夜の寒さといったら半端ではないので、私は先ほどからブルブルと震えていた。
「ねぇー、もう寒いから家帰ろうよ!! 風引くって!!」
「もうちょっとだけだから待って!!」
「もうちょっと、もうちょっとって何回言ってると思ってんの!? 聞き飽きたわよ!! もう帰る!!」
「ちょっと待って……」
ジュンが行こうとする私を止めようとし、手を握った。
その瞬間私の顔はかあっと熱くなった。
「はっ、放して!!」
「えっ・・・? あっごめん……」
それから暫くの沈黙が続く。
その沈黙を破ったのは、空から降ってきた白いものだった。
それは徐々に数が増えていく。
「雪……? 雪だぁ!!」
気がつけば、私の顔はほころんでいた。
「ホワイトクリスマスだな!」
「プッ。ジュンも、ロマンチックな事言うんだね(笑)」
「うるせえなっ!! ……ごめんな無理にさそって……」
「今日は、雪が降る瞬間見れたから許してあげる♪ こっちこそ、さっきはごめんね……びっくりしちゃって……」
「もう気にしてねぇから!! 雪本降りになってきたから帰ろうか? 結局サンタさん見れなかったけど、プレゼントはもらったしな!!」
「そうだね! プレゼントって雪の事?」
「それもそうだけど……」
「まだ何かあるの?」
「まぁね♪ あっ、内緒だからな!!」
「何で!? 別に教えてくれたっていいじゃん!! ケチ!」
「ケチでも何とでも言ってくれ!!」
「開き直ってないで、教えてよ!! ねえ!!」
「嫌だね!!」
「ちょっと、質問に答えてよ!!」
「あー、雪綺麗だなー♪」
「ねえってばぁ!!」
恥ずかしくて言えるわけないだろう?
君のほころんだ顔が今年のクリスマス最大のプレゼントなんて……


inserted by FC2 system